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by 西垣 佐人江
朝4時を回った頃何やら騒がしい音で目が覚めた。大きな声で人の話す声が聞こえてくる。話声はしばらく続いたがしばらくすると遠ざかっていき、私はまた深い眠りについた。が1時間後また先ほどの声が近づいてきた。どうやら隣の部屋の隣人がこの辺りをうろついているらしい。しかしこんな朝早くに起きて何をすることがあるのだろうと思ってしまう。隣人はずっとしゃべりっぱなしである。薄い1枚の壁で隔たせてあるので会話は筒抜けである。もう少し隣人の配慮ぐらいして欲しいものである。その隣人、7時頃ようやく重い腰をあげ何処かへ行ってしまった。ヤンゴンではずっと騒音に悩まされていた私達。休みぐらいは静かにビーチでと思ったが、甘かった。この時期は1年中で1番暑い時期でもあり、皆が涼みに一斉にこのビーチへやって来るのである。この大型連休以外だと安くしかも静かに泊まれるらしい。私達2人はすっかり目が覚めてしまい、朝食をとった後まだ誰もいないビーチを散歩しようと思いでかけた。ビーチへ出てまたもや自分達が甘かったことを思いしらされた。ビーチはもうすでに人、人、人の大洪水。時計を見るとまだ朝の8時をようやく回ったころである。
「なんでー。」「うそ、こんな朝早くから・・・」と思わず口から言葉が出ていた。
ミャンマーの朝は早い。いったい皆何時から泳いでいるの?と聞きたくなる。ビーチにはここの村の人口をはるかに超えた人達が水浴びをしている。
「もっとのんびりすればいいのに何でこんなに早いの?」と主人に聞くと
「いつものんびりしているからここでは急ぐんちゃうか」
と間の抜けた返事が返ってきた。
いろいろ2人で話ながら散歩して行くと、んっ何かが違うということに気が付いた。それは皆洋服を着て水浴びをしているということと、車のタイヤのチューブを浮き輪にしてプカプカ浮いている。何でも学校の授業に水泳という科目はなく、多くのミャンマー人は泳げないそうである。
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| 浮き輪であるタイヤのチューブ |
皆が洋服なので全く気にもとめなかったが、話には聞いたことがある。目の当たりで見ると実におもしろい。女性なら分かるが男の人も海パンをはいている人は少なく、また上半身裸の人も少ない。男の人でそうなのだから女性はもっと肌を見せることに抵抗を感じるだろう。反対に子供達はおもいおもいの水着を着ている。その中で水着姿の女性を発見した。主人と、
「おー水着姿やでえー」と感激してしまった。この人の渦の中、水着姿をみたのはたった3人だけであった。
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| 水着姿はミャンマーではほとんど見られない |
あとおもしろかったのは、ここビーチなのに革靴やビジネスシューズを履いている人をけっこうみかけること。何でいつも草履なのにここではごっつい革靴なんやろうと、とても不思議だった。
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| 浜辺で革靴を履く若者 |
そして浜辺では自転車が走り、極めつけに牛車まで走っている。そして馬も走っている。
「これはすごい、何でもありなのかこのビーチは?」と主人は唸っている。
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| 何故か浜辺に牛車 |
これではビーチでのんびりとはいかないものである。だからなのか誰も砂浜でゴロンと横になる人はいない。
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| 何故かこんなところで食事する若者たち |
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| 写真を写す交渉をしている今風の若者 |
私達はお昼ご飯をビーチのそばのレストランで済ませた後、木陰のいい場所を見つけ持参したシートを広げ、お酒、お菓子、本を並べ、まず昼寝をすることにした。風が気持ち良く、昼寝にはうってつけの場所である。小腹が空いたらお菓子とお酒を飲み、本を読む。 という幸せな時間を満喫したのである。ふとビーチの方へ目をやると、ここでもおもしろいことを発見してしまった。先ほどの人の洪水はどこ?と目を疑いたくなるほど、人っ子一人ビーチには誰もいないのである。
「皆、お昼ご飯なのかなあ。」「何してるんやろう。」と言っていたら、3時ごろ人がどんどん出てきた。これには私達2人は驚き、まるで遺伝子に、「昼は何処にも出るな」とインプットされているような錯覚にとらわれる。
どうも日中は暑いのか、昼寝をしに帰っているらしい。それはそうだろう。あれだけ朝早く起きて泳いでいれば疲れるに決まっている。そして皆6時半過ぎまで水浴びを楽しんでいる。
ビーチ1つとって見てもお国柄というものが出ていて実に楽しい。またこの期間は水祭りなので、そこら中で水を掛けられるので覚悟しなければならない。
夕食はゲストハウスの近くのレストランで食べたが、そこでもまた面白い発見をした。電灯にビニール袋が吊り下げられ、中にハエがたくさん溜まっている。訊けば、吊るしておくだけで、自動にハエが落ちて溜まる仕組みになってるらしい。袋の中には何も入っていないという。殺虫剤に頼る私達とは違い、ここでもまたミャンマーの恐ろしさに触れてしまった。
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| 地球にやさしい蝿取り機? |
昨日の疲れと朝早かったのもあり、その日も私達2人は9時前に就寝してしまった。
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