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Essay by Nishigaki Mitsuru          
西垣 充のエッセイ
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10 ミャンマーで働くことを選んだ本当の理由 後編 2004/2/25
9 ミャンマーで働くことを選んだ本当の理由 中編 2004/2/25
8 ミャンマーで働くことを選んだ本当の理由 前編 2004/2/25
7 障害を乗り越えて 2003/1/12
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5 映画関係者が集まる喫茶店 2000/5/27
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ミャンマーエステ/マッサージ体験記-エロス編

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グエサウンビーチ紀行

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象の足

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働く人たち --サイカー編--
by 西垣 充

 自転車の横に座席が作られている乗り物「サイカー」。実に東南アジアらしい乗り物である。タクシーで移動するには距離が近すぎる。安く行きたい。車の通れないところに行きたい。荷物を運びたい。などなど。そんな時活躍する便利な乗り物である。
 今回はこのサイカーを探ってみたい。
 名前の由来はどうやら英語の「Side Car」からきているらしい。
 一見何気なく道端に留まっているサイカーだが、各サイカーにはいわゆる縄張りといういうのが存在する。それぞれのサイカーは許可を得たTOWNSHIPでしか走ってはいけない仕組みになっており、ヤンゴン市内でもそれぞれのサイカーは運転できる区域が異なっている。更に、サイカーは許可を得たTOWNSHIP内のどこでも営業しても良いかと言えば、答えはノーである。

お客を待ってるサイカの人々

 先ほど、縄張りが存在すると言ったが、これは客を待つ場所が縄張りなのである。例えば駅の前、市場の前など、ほとんどのサイカーは集団で客を待っている。この集団の数は決まっておりそれ以上は増えない仕組みになっている。この数はヤンゴンの場合、ヤンゴン市役所が決めて管理しているらしい。
 現在サイカーはヤンゴン市内で約5000台登録されていると言われており、新しい許可は現在認可されていない。ちなみにサイカーの許可もヤンゴンではヤンゴン市役所の管轄である。
 今から2年ほど前に新しいサイカーがここヤンゴンで走り出した。このサイカーは今もヤンゴンでたまに見かけることがある。乗客を横ではなく後ろに乗せるモダンな造りのサイカーである。当時、ヤンゴンで50台ほど新規許可が与えられたそうだが、その後不評でそれ以上許可は出ていないようである。不評の原因は、人物しか載せられなく、荷物を載せるスペースがないというのが大きな理由らしい。

これが幻のニューサイカ

 話が脱線したが、とにかく現在サイカーを運転しようとすれば、既存のサイカーをライセンスごと買い取らなければならない。このライセンスを買い取った場所で営業でき、これが縄張りになるのである。サイカーの運転はこの自分の縄張りを中心にすることになる。
 縄張りにはリーダーが1名おり、通常一番その場で長く働いた経験をもつ者がそのリーダーになる。グループはそのリーダーを中心に行動する。このグループでは運転する順番が決まっており、客が来ればその順番通りに交渉していく。この順番はその日その縄張りに早く来た者の順番で決まっていくことが多い。もし自分の順番が来て、値段交渉が成立しなければ、次の番の人に交渉権が移行する。
 さて、交渉成立し目的地に向かい、目的地に着いたら客を降ろし、また縄張りの所に戻らなければならない。目的地に留まり営業はできないのだ。縄張りに帰る際、客を捕まえれば、これは別にルール違反にはならないらしい。サイカーの営業時間は通常朝6:00から夕方18;00まで。1日の営業が終わればオーナーに返す人もいれば自分で持ち帰る人もいる。それ以降は各縄張り内のメンバーが減るため、縄張りに関係なくどこで営業してもいいらしい。
 ちなみに夜10時を過ぎればサイカーの数が減り、料金は通常の1.5倍ほど割増になるようだ。
 現在のヤンゴンでのサイカーの相場は1台約8万チャットと言われている。
 現在、サイカーを運転する多くの人達はサイカーを借りて運転している。お金を多く持つ人がサイカーを複数台所有し、これをレンタルで貸しているのである。ここで自分の働きたい場所にあるサイカーのオーナーと話合い、買うなり借りることになる。借りる場合はデポジットとしてオーナーに5000チャット支払い、晴れて営業をすることができる。
 現在のサイカーのレンタル料は1日約50チャットと言われている。サイカーを借りて営業している人々はこのレンタル料をオーナーに支払っている。通常は1ヶ月ごとにオーナーに支払っているらしい。サイカーのオーナーも所有するための税金があり、ヤンゴンではヤンゴン市役所に1年に1回、1台につき500チャット収めなければならない。
 サイカーを営業すれば、1日の売上は平均で約500チャットぐらいらしい。つまり月間約15000チャットの売上があることになる。サイカーを借りている人はここからレンタル代、1ヶ月分1500チャットをオーナーに支払う。差し引いた分13500チャットが手元に残るが、サイカーの修理代は自分支払わなければならず、これが1ヶ月に約1000チャット。つまり、1ヶ月の収入は約12500チャットになるのである。

荷物を積んだらこうなります

 さて、サイカーであるが、誰でも運転できるわけではない。サイカーを運転するためには免許証が必要なのである。いわゆる車の免許証を取るのと同様、教習所で試験を受けパスしなければならない。
 ヤンゴンでの試験はヤンゴン市役所が管轄で月2回ほど開催される。試験は18歳以上でなければ受験できず、試験内容は実技試験と筆記試験。試験内容は自動車免許とほぼ同じで、筆記はいわゆる交通標識やルールで、いわゆるサイカーの試験用の教本も存在するらしい。実技は試験管の前でサイカーを実際運転する。運転は客を乗せず、ポールを立て、ジグザグ走行などのテストをするらしい。
 免許費は試験料も含め約1000チャット。試験はほとんどの人が合格するらしい。免許は毎年更新手続きを行わなければならず、更新料は200チャット。
 現在サイカーに乗っている多くの人は一生の仕事とは考えていないようで、新しい仕事が見つかるまでがんばる。という人が多いようだ。サイカーに乗る理由のひとつは日々収入があるかららしい。
 サイカーを運転している人に聞いたところ、売上を上げるためのコツは固定客を多く捕まえることにある。と話していた。運転中、世間話をして親しくなり、次回指名してもらえるようにする。という、どこの業界でも同じのようだ。
 現在の最低の運賃は30チャットらしい。これ以下だといくら近くても行かないらしい。また、料金はある程度決まった相場があるらしいが、これを知らない客には多少多めに料金を言い、そこから交渉を始めるのが一般的のようだ。
 最後にどのように交渉すれば安く乗れるか聞いてみた。すると、まず自分が行く距離の値段を知ること。もし知らなくても「いつもこの値段で行っているから」といえば案外その値段でいけるらしい。
 皆さんもこの方法で試されたらどうですか?

サイカに乗っている人(弊社社員)

(C) 西垣 充